早春の雑草2(12/4/11)

タネツケバナ/オランダミミナグサ/ムラサキサギゴケ
早春の雑草第2段です。タネツケバナは、おそらくもっとも早く花をつける 春の雑草で、第一段に入れたかったのですが、なんせ見栄えがせず、 見送ってしまいました。 ムラサキサギゴケは、草原に紫のカーペットを作って、遠くからでも よく目立ちます。


タネツケバナ(種浸け花) あぶらな科。
日本に古くからある水田雑草で、水田、田畑の畦、水際など、どちらかと言えば しめった所を好みますが、畑、野原にも普通に生えています。 越年草で、秋に発芽し春に他の雑草に先駆けて花をつけます。 岐阜大学でも、丸池の小川沿いにしっかりと生えています。 白い小さな4弁の花と、角(つの)のように突き出した種(というか花後の花軸) が目立ち、すぐに覚えられます。 ミミナグサの属するなでしこ科は花弁が5枚ですが、あぶらな科は4枚、 そのため、昔はあぶらな科は「十字花科(Cruciferae)」とも呼ばれていました。 このような性質は覚えておくと、知らない植物の分類を推測する手助けになります。 あぶらな科の多くがそうであるように、野草として食べることができ、 タネツケバナの方が春の七草にあるナズナよりはおいしいと思います。 そういえば、あぶらな科の「クレソン」も日本では至る所、水辺に野生化しています。 あぶらな科の花を見つけたら、ちょっと食べてみてあげてください。 なお、「種浸け花」の意味は、農家で種籾を発芽させるために水に浸ける、 ちょうどその頃に田畑に咲く花ということだそうです。


オランダミミナグサ(和蘭耳菜草) なでしこ科。
雑草らしい(?)雑草です。ヨーロッパ原産の帰化植物で、 場所を選ばず至る所にテリトリーを広げていきます。 植物全体が細かな毛(繊毛)で覆われて、ベルベットとまではいきませんが、 何となく柔らかな感じです。 花は地味というか、貧弱で、「それでも咲いているつもり?」と言いたくなります。 でも、よく見るとなでしこ科の特徴である5枚の花弁がちゃんとあり、 何個かがくっついてくす玉のように咲くので、ボリューム感はあります。 秋に発芽し冬を越して春に花を咲かせる越年草(2年草)です。 オランダミミナグサは、外来のミミナグサという意味で、 それに対して日本固有のミミナグサというのもあるのですが、 今はほとんど見られません。 で、耳菜草の意味ですが、食べられる草(菜草)で、 葉の形がねずみの耳に似ているからとか。 (固有種の)耳菜草は、写真で見る限りはスマートで、野趣があります。


ムラサキサギゴケ(紫鷺苔) ごまのはぐさ科。
コケの名をちょうだいしていますが、コケの仲間ではありません。 白色の種を「サギゴケ」と呼び珍重したので、その紫色のものということで ムラサキサギゴケとの名前になっていますが、種としてはサギゴケと同じものです。 普通に野原に自生しているのはムラサキサギゴケの方です。 私は白色の自生種を見たことがありません(木曽川環境楽園では、栽培?されています)。 ところで、この花の雌しべの先端は口のように上下に分かれているのですが、 これに触れるとそれが閉じるのです。 それで、何かを連想してしまう人もいるようですが、花の大きさは5mmくらい、 雌しべはさらに小さく、1mmくらい、 その小さな雌しべに触れて、動きを発見した人はよっぽど暇だったんでしょうか。 ちなみに私もやってみましたが、私の視力では、本当に顔を花にくっつけるように しなければ見えないので、大変でした。 もちろんこれは、やってきた虫を捕まえて(食べるわけではありません)、 しっかりと花粉を確保しようというメカニズムです。


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